私の夏休み・・・・
今年の夏休みは、これまでと少し違った時間を過ごすことができました。
今までは、夏季休暇といえば部活動一色。練習や試合、合宿。遠征などで、気がつけば新学期が始まっている…そんな繰り返しでした。ですが、今回は少し自分でコントロールできる時間があり、普段とは違う夏を味わうことができました。
その一つが、昨年度まで指導していた茨木中高女子サッカー部の東海遠征に、一日だけ帯同したことです。名古屋経済大学で4校が集まっての試合を見学しました。例年なら、そのまま全国屈指の強豪校との対戦のため静岡や関東へと足を延ばすのですが、今回は1日だけの参加となりました。
そして、その日にもう一つ楽しみにしていたことがありました。実は私は40年前、愛知県の大学に通っていました。その頃のサッカー部の仲間と、夏に再会する約束を2か月前からしていたのです。仲間の一人が「大橋が名古屋に来るなら集合!」と声をかけてくれて、同級生だけでなく先輩や後輩まで集まってくれることになりました。結果的に、先輩3名、同級生5名、後輩1名、そして私を含めた10名での食事会となりました。
卒業してから40年近く経ち、顔を合わせるのは本当に久しぶり。ですが、再会の場は2時間ほどの短い時間ながらも、終始笑顔に包まれ、笑い声の絶えない食事会となりました。
話題は「あの試合はどうだった」という戦績のことではなく、寮生活や日常のちょっとした出来事ばかり。全国大会を目指して練習に明け暮れ、理不尽さに歯を食いしばった日々だったはずなのに、今となっては不思議なほどすべてが笑い話です。苦しかった記憶も、時が経てば「懐かしい思い出」に姿を変えていくのだと、しみじみ感じました。
その夜、改めて人との縁の不思議さを思いました。あの時、同じ時間を過ごしたからこそ、40年後の今も再び笑い合える。人生の中で出会った人とのつながりは、途切れることがあっても、ふとしたきっかけで再び色を取り戻すのです。大人になると日常の忙しさに流され、会うことを先延ばしにしてしまいますが、少し勇気を出して会いに行けば、懐かしい声や笑顔に触れ、若い頃の自分を思い出させてくれる。再会とは、過去を懐かしむだけでなく、自分の現在地を見つめ直す時間でもあるのだと気づきました。
この経験から、生徒の皆さんに伝えたいことがあります。
今、隣にいる友達や、近くにいるクラスメイト。もしかすると、何年後、いや何十年後かに、その人があなたにとって大切な存在となり、一緒に楽しい時間を過ごす仲間になっているかもしれません。
日々の学校生活の中で、何気ない会話や小さな出来事が、将来の大きな思い出に変わっていくことがあります。どうか、今を大切にしてください。そして、皆さんにとっての「かけがえのない仲間」との出会いを、これからも大事に育んでほしいと願っています。